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高市首相台湾有事発言 |
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[高市首相台湾有事発言]2026.1.1
1927年3月、衆議院予算委員会で片岡直温大蔵大臣が「本日、東京渡辺銀行が破綻したが、まことに遺憾であります」と失言をしてしまいました。東京渡辺銀行は、破綻はしておらず、同日の午後から業務を再開していたのに、まるで倒産してしまったかのように片岡大臣が言ってしまったので、どんどん取り付け騒ぎが起こり、その結果本当に倒産してしまったのです。この取り付け騒ぎをきっかけに、他の銀行にまで飛び火し、中小の銀行がどんどんつぶれることになりました。昭和初期に起こった金融恐慌です。大臣の一言の失言が恐慌にまで発展してしまったのです。
高市早苗が総理大臣になり、国会の予算委員会において、立憲民主党の岡田克也議員との質疑の中で、台湾有事に関する発言を行いました。少し長くなりますが、その際の議事録は次のとおりです。 「先ほど有事という言葉がございました。それはいろいろな形がありましょう。例えば、台湾を完全に中国、北京政府の支配下に置くようなことのためにどういう手段を使うか。それは単なるシーレーンの封鎖であるかもしれないし、武力行使であるかもしれないし、それから偽情報、サイバープロパガンダであるかもしれないし、それはいろいろなケースが考えられると思いますよ。だけれども、それが戦艦を使って、そして武力の行使も伴うものであれば、これはどう考えても存立危機事態になり得るケースであると私は考えます。」 この発言に中国がかみつき、高市発言は、“一つの中国”の原則に反する発言であり、すなわち内政問題に干渉するものであり、日中共同声明においても「中華人民共和国を中国の唯一の合法的政府」と承認し、「中華人民共和国政府の立場を十分理解し尊重する」 としていることに反すると猛抗議を行い、現在も様々な嫌がらせにも等しい反対運動を行っています。私は、この国会の議事録を読んで違和感を持ったのが、“戦艦を使って”というくだりです。もとより、日本の海上自衛隊においては“自衛艦”という表現をするでしょうし、他国においても第二次大戦のころではあるまいし、最近は戦艦という言い方はあまりしないのではないかと感じました。そこで思ったのは、この高市発言は、防衛省が作成した答弁原稿を読んだのではなく、高市首相のアドリブで発言したのではないかと。きっと防衛省作成の原稿では、もっとやんわりとした核心に触れないような答弁であったのではないかと思います。石破茂前首相も、「外交というのは『言いたいことを言ってやったぜ』ではいけない。国内からボロクソ言われても国益のために守らなければいけないことがある」と高市発言を批判していますが、高市首相は、なぜこんなケンカを売るような発言をしてしまうのでしょうか。別に、台湾有事が存立危機事態だと信じているのであれば、実際に台湾有事がおこったときに存立危機事態として自衛隊を黙って派遣すればいいのであり、何も起こっていない現時点でそれを明言する必要などないでしょう。この高市発言のために、様々な影響が出ており、決して全体としてみてプラスとはいいがたい状況となっています。 政治家が見えを切るということは、その発言がどのような事態を引き起こすかまで十分に想定して行う必要があると思います。それができない政治家の例としては、ウクライナのゼレンスキー大統領が挙げられると思います。EUに加盟したいというところまでは希望として述べても、NATOに加盟したいという発言をしたことは、ロシアのプーチン大統領のしっぽを踏んでしまったといわざるを得ません。ソビエト連邦の時代から、ロシアは、自由主義諸国とは直接に国境を接したくない、間に緩衝地帯としての国を挟みたいというのは歴史から学んだ厳然たる事実です。ウクライナがNATOに加盟すると、ロシアはNATOと国境を挟んで接することとなり、プーチンの防衛戦略からは到底ゼレンスキーの発言は許されるものではないでしょう。だからこそ、本気でプーチンはゼレンスキー政権を倒そうと、ウクライナに侵攻したと思います。ウクライナとしてはやらなくてもいい戦争を何年も継続し、国土は荒廃し、何人もが戦死し、挙句の果てにはアメリカのトランプ大統領からは、停戦・和平の条件として東部2州をロシアに割譲しろと言われている始末です。 ゼレンスキーの発言で何がウクライナにプラスになったでしょうか?言わずもがななことを言ってしまう前にその発言がどのようの政治的効果を生み出すかをもっと考えるべきだったと思います。高市首相についても同じことが言えます。自分の発言により、どのような政治的効果を生み出すかをもっと考えて、少なくとも野党の質問に答える程度のことであれば、防衛省作成の答弁ドラフトで答えておけばよかったのではないでしょうか。政治家というのは、ひと言ひと言が影響を及ぼすことをもっと考えるべきだったと思う次第です。 |
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